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サラリーマンは「不動産投資で節税」という営業トークに要注意!

 2018/02/28 はじめての不動産投資
この記事は約 7 分で読めます。 1,581 Views

あなたは、「不動産投資をすれば、所得税の節税をすることができますよ!」といった、営業電話を受けたことはありませんか?

一定以上の収入があるサラリーマンを対象に、このような営業トークで興味を引き、不動産を販売するというものです。

確かに、不動産投資は節税に活用することは可能です。

不動産投資を考えている方の中には「できることなら税金を少なくしたい」と「節税対策」を目的にしている方も少なくありません。

しかし、真実を知らないままに節税目的で不動産投資をはじめてしまえば、思わぬリスクを招くことになりかねません。

そもそも、不動産投資による収益確保と節税は目的が異なります。

不動産投資による節税は高額所得者や富裕層・資産家の方々向けであり、節税効果も無限に続く訳ではなく、収益性の確保と節税効果は両立しません。

物件を売ることが仕事である営業マンは、不動産投資のメリットだけを誇張し、隠れたデメリットやリスクについて、詳しく説明しないことがあります。

営業トークで誤解や錯覚をしないようにするために、最低限の知識は手に入れましょう。

 

節税ができる大きな理由はお金の支出を伴わない減価償却費

 

なぜ、不動産投資で所得税が節税できるのかというと、お金の支出を伴わない税務上の経費「減価償却費」があるからです。

簡単に説明すると、建物などは年数経過に連れて古くなるため、定められた期間(法定耐用年数)に応じて毎年の価値が下がる分が「減価償却費」として経費化できるのです。

法定耐用年数は、新築木造アパートならば22年です。

この法定耐用年数を経過した築年数(22年以上経過)の物件は、最短4年で減価償却できるのです。

つまり、中古物件は短期間で減価償却できるので節税対策となり得るのです。

例えば、建物価格が2,000万円の物件における減価償却費は、新築の場合耐用年数22年なので年間で約90万円、築25年の物件では4年で減価償却するため、年間約500万円の経費計上が可能なのです。

※参考:中古物件の減価償却期間の算出

■購入した中古物件が耐用年数の全部を経過している場合

⇒ 新築の場合の耐用年数(法定耐用年数)×法定耐用年数

■購入した中古物件が耐用年数の一部を経過している場合

⇒ (法定耐用年数-中古物件の経過年数)+(中古物件の経過年数×数過件)
なお、これらの計算により算出した年数に1年未満の端数があるときは、その端数を切り捨て、その年数が2年に満たない場合には2年とします。

 

節税目的で収益が上がらない理由

 

中古物件は減価償却期間が短くなるのですが、新築と比べて建物が古いため、税務上の建物価格も低くなります。

建物価格が低いという事は、減価償却費も少ないため節税効果がありません。

では、なぜ節税効果が生み出されるのかと言うと、利回りが低ければ成り立つのです。

大きな節税効果を期待するためには、収入よりも経費が多くなければなりません。

つまり、収支がすごく良い訳ではないのです。

不動産投資による節税効果の意味合いとは、収入を増やすのではなく、所得税を節税しつつ資産を増やす方法と言えます。

既に多くの所得があり、納税額も高額になっている方が所得税を節税することにより、納税していた所得税の一部が手元に残るという効果です。

収支があまり良くなければ、そもそもの収入が大きく増える訳ではないので、高額所得者以外の方にはあまり大きな効果が生まれないのです。

よって、一般的には収益性と節税効果は両立できず、不動産投資で収入を手に入れる目的と、所得税の節税を同時に求めることには無理があるのです。

簡単に言ってしまえば、利益の多い人や企業が節税のために中古物件を購入して減価償却費をそのまま経費計上することで、利益が減り、節税効果が得られるのです。

 

節税効果により好立地の不動産による資産形成が可能

 

好立地の人気物件は、利回りが低くなります。

はじめて不動産投資を行う方には、なかなか手に入れることが難しい物件ですが、高額所得者の方は節税対策を兼ねて資産形成を行うことが可能です。

好立地の物件は、価格が高く利回りが低いため、購入してからしばらくの間は収益を期待するのではなく、家賃収入で借入返済できれ良いと考えておけば、節税効果も相まって、安く好立地の物件を手に入れたことになります。

将来の資産形成目的を考えるのであれば、高額所得者には有効な手段とも言えます。

 

節税対策の注意点①節税効果は無限ではありません!

減価償却の元になる価格は土地価格が含まれず、建物の価格のみであり、減価償却期間が過ぎれば減価償却費はゼロになるため、限度があることに注意が必要です。

その後はどうなるのかというと、所得税が大きく増えることになります。

物件取得時に必要な登記費用や火災保険料などの経費の多くは初年度に経費化可能ですから、減価償却費+初年度の経費により、節税効果が一番大きいのは初年度となるのです。

 

節税対策の注意点②減価償却期間が終了すると大変なことに

減価償却期間が終了すると、節税対策とは逆の効果?が発生します。

それは、減価償却がなくなることで税務上は黒字に転換し、多くの所得税が発生します。

給与所得などと合算されるため、税率も上がり納税額も大きくなります。

更に問題になるのが、減価償却費は「お金の支出なしに経費化できる」費用ですが、その逆の「お金の支出のある経費化できない費用」、融資の元金返済があるのです。

経費化できない融資の元金返済があるため、実際の収入よりも、所得税+融資の元金返済の方が多くなる状態が起き、キャッシュフローがマイナス(現金持ち出し)となるのです。

これは、融資の元金返済が減価償却費よりも多い状態になると発生する現象です。

融資の返済が残っている状況で起こる現象なので、不動産投資の黒字破綻とも言われています。

残ったお金で融資の元金返済ができない状況となれば、もはや節税どころではない問題です。

 

節税対策の注意点③減価償却による節税効果は売却時に先送り?

減価償却費は、実際の支出を伴わない経費ですが、物件を売却する時にはデメリットにもなります。

例えば減価償却期間が終わり、4,000万円(土地3,000万円・建物1,000万円)で物件を売却したとします。

この場合、建物は減価償却により価値が0円になっていますので、0円の建物が1,000万円で売れたことになります。

つまり、売却によって1,000万円の利益が出たとみなされ、その利益に譲渡税が課せられます。

譲渡税は物件の所有期間によって短期譲渡(所有期間5年以下)と長期譲渡(所有期間5年超)に分けられ、短期譲渡の場合は約40%(約400万円)、長期譲渡の場合は約20%(約200万円)の税率です。

つまり、減価償却費による節税は、所得税の節税対策には効果がありますが、売却時の譲渡税が大きくなるのです。

また、譲渡税は分離課税のため、節税対策として減価償却などによる経費を多くしてマイナスをつくっても、損益通算できません。

 

まとめ

 

「不動産投資で節税できる」という言葉はウソではありません。

しかし、表面的な節税メリットばかりではなく、真実を理解する必要があります。

そもそも不動産投資による節税対策は、既に多くの所得があり納税も高額になっている方に向いている方法です。

目安として、所得税の課税所得が800万円から1,000万円以上になってからにし、そうでない方は、収益を増やす目的や、将来に向けた資産形成目的で不動産投資を考えるべきです。

その上で、節税効果と不動産投資におけるリスクのバランスを見て節税対策へと発展しましょう。

節税対策とは経費計上でマイナスをつくり所得税が戻ってくる仕組みです。

収入が増える訳ではないので、購入物件の収益が上がらなければ、お金は残りません。

このことを知らずに、意外と多くのサラリーマンの方が不動産投資をしている話をお聞きします。

不動産投資は、確かに大きな節税効果を生み出し、資産も手に入れることができる仕組みではありますが、リスクも潜んでいます。

節税効果のメリットばかりに気を取られず、営業マンに質問し、しっかりと説明を聞くようにして下さい。

また、営業マンの説明を鵜呑みにするのではなく、収支計画での節税効果をご自身でも確認することが大切です。

不動産投資のデメリットやリスクを説明し、あなたの目的や背景に応じて提案してくれる営業マンから物件を購入することも大切です。

 

※参考

サラリーマンが不動産投資で節税できる理由

不動産投資による節税対策3つの落とし穴

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