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不動産売却前に知っておきたい売却益が出る際の賢い節税ポイント

売却(出口戦略)
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不動産の売却では、売った際の価格から費用を差し引いた「譲渡所得」の額に応じて支払う税金(譲渡所得税)が決まります。

そのため、この譲渡所得税を抑えるためには、「何が費用に入るのか」「どのように計算するのか」を知っておくことが大切です。

今回は不動産を売却しようと考えている方のために、売却益の計算の仕方や節税ポイントについて詳しくご紹介します。

売却してから思った以上に税金を支払うことになったと後悔しないように、参考にしてみてください。

 

1 不動産売却益が出た場合(譲渡所得)の税金の計算方法

不動産売却で賢く節税するためには、まず売却益(=譲渡所得)にかかる税金の計算方法を知っておくことが大事です。

1-1 譲渡所得を計算する

不動産を売却した場合に利益が出れば、その売却益が課税の対象となります。

売却益は「課税所得」と呼ばれ、次の計算方法から求めることができます。

課税譲渡所得金額=①譲渡価額-(②取得費+③譲渡費用)−④特別控除額

課税所得は、単純に売却金額から購入金額を引いたものではないのがポイントです。

①譲渡価額とは売り渡した金額のことです。

また、②取得費は不動産を買った時の価格であり、③譲渡費用とは不動産を売る時にかかった費用(不動産会社への仲介手数料など)となります。

この計算式を見ても分かるとおり、「②取得費+③譲渡費用」の金額を大きくすることで、課税譲渡所得金額を少なくできるので、支払う税金が安くなる(=節税につながる)というわけです。

もちろん、②取得費や③譲渡費用は自由に決めることができるわけではありませんが、そのルールをきちんと理解したうえで、最も有利な形で計算するのが不動産売却の節税につながります。

④特別控除については「2-2 マイホームの特例を受ける」で詳しく説明します。

1-2 税率を確認する

不動産譲渡所得金額が決まれば、税率をかけて所得税と住民税を算出します。

不動産譲渡所得税の税率は、売却した不動産を所有していた期間によって次のように定められています。

項目 5年を超えて所有 5年以下の所有
所得税 15%+復興特別所得税0.315% 30%+復興特別所得税0.63%
住民税 5% 9%

所有期間の5年を境にして、税金が倍ほど違うことになるため、ここにも節税するポイントがあることがわかります。

 

2 譲渡所得税を抑える方法

不動産売却益の税金を計算する方法を理解したところで、税金を低く抑える方法を見ていきます。

ポイントは以下の通りです。

  • ①不動産は5年超所有する
  • ②マイホームの特例を受ける
  • ③減価償却費を抑える
  • ④経費にできる譲渡費用を漏れなく計上する
  • ⑤事業用資産の買い換え特例を活用する

2-1 不動産は5年超所有する

先に説明したように不動産は5年を超えて所有するか、あるいは5年以下かによって譲渡所得税は大きく違います。

ただし、築年数が経過すれば評価額も低下し、周辺相場も変化するので、売却するタイミングには注意が必要です。

なお、早期に売却する必要がある場合、たとえば転勤などで自宅を空けなければならない時は、すぐに売却するのか賃貸に出して保有し続けるのかを検討するといいでしょう。

ただし3年を超えて空き家にしてしまうと、後述するように特例の控除で適用できない点に注意しましょう。

急速に資産価値が落ちないようであれば、5年を超えて所有してから売却するのがおすすめです。

2-2 マイホームの特例を受けること

譲渡所得を求める計算式に、「④特別控除額」という項目がありました。

売却する不動産が居住用の自宅であれば、所有期間にかかわらず3,000万円の特別控除を受けることができます。

そのため、売却した際の金額(①譲渡価額)から「②取得費+③譲渡費用」を差し引いた金額が3,000万円を超えなければ、この特別控除を適用するだけで税金は発生しないことになります。

つまり、不動産が購入時よりも3,000万円以上の値上がりをしていなければ、支払う税金はゼロになるということです。

一般的な居住用不動産で3000万以上の値上がりをするというケースは稀なので、ほとんどの場合は「3000万円の特別控除」を利用すれば、譲渡所得税を支払う必要はなくなるでしょう。

このほか、居住用の自宅を10年超所有していると、税率は次のように低くなります(※居住用とみなされるためには、3年以上空き家にしないことが必要)。

項目 課税譲渡所得が6,000万円以下の部分 課税譲渡所得が6,000万円を超える部分
所得税 10%+復興特別所得税0.21% 15%+復興特別所得税0.315%
住民税 4% 5%

2-3 減価償却費を抑えること

譲渡所得を求める計算式の中で、不動産の購入時にかかった費用を「②取得費」といいますが、単純に購入金額とイコールになるものではありません。

購入金額から「減価償却費」を引く必要があり、減価償却費の計上の仕方によって節税につながります。

  • 取得費=購入価格−減価償却費

減価償却費とは、不動産の建物部分が劣化することにより減少する価値を費用化したものです。

建物は築年数の経過によって劣化するので、減価償却は毎年発生します。

そのため、不動産の保有期間(購入してから売却するまでの期間)が長くなるほど減価償却費は大きくなるので、取得費は小さくなり、売却益(譲渡所得)が増えることになります。

もちろんこれは計算上の話なので、実際に手にするお金が増えるわけではありません。しかし計算上は売却益が増えるので、そのぶん税金も増えてしまいます。

そこで減価償却費をいかに抑えるかが節税のポイントになります。

減価償却の計算方法は決められており、自由にその金額を決めることはできませんが、不動産の取得時における「建物分の価額をできる限り少なくすること」は可能です。

建物の購入金額が少なくなれば、減価償却費も少なくなるからです。

もちろん建物の購入金額も勝手に決められるわけではないですが、その算出方法を有利な形で選ぶことはできます。

不動産の建物購入金額は次のように計算します。

  • 新築物件の場合、消費税から建物分を割り出す
  • 固定資産税評価(相続税評価)で土地と建物を按分する
  • 標準的建築価額により建物価格を計算する

中古物件を購入した場合なら、上記の2番目か3番目のどちらかを選ぶことができます。

このうち、建物価格が低いほうを選ぶことで、減価償却費を抑えることができます。

一方で、所得税の節税には建物取得価格の高い方が有利となりますので、不動産投資の目的に応じて戦略を立てることが大切です。

2-4 経費にできる譲渡費用を漏れなく計上する

不動産売却でかかった費用(譲渡費用)を増やすことも節税につながります。譲渡費用には以下のようなものが該当します。

  • 土地や建物を売るために支払った仲介手数料
  • 印紙税で売主が負担したもの
  • 貸家を売るため、借家人に支払う立退料
  • 土地などを売るために建物の取壊し費用と建物の損失額
  • 既に売買契約を締結している資産を更に有利な条件で売るために支払った違約金
  • 借地権を売るときに地主の承諾をもらうために支払った名義書換料など

(※国税庁HP参照)

不動産売却の節税では経費をいかに多く計上するかもポイントになります。

これらをチェックして、なるべく計上漏れがないようにしましょう。

2‐5 事業用資産の買い換え特例を活用する

事業用資産を簡単に説明すると、駐車場・アパート・マンションなどの収益を得る事業として活用している資産のことを言います。田や畑などの農地も含まれます。

この事業用資産を売却して新たな事業用資産に買い換えたときは、一定の条件を満たせば譲渡所得に対する課税を、将来に繰り延べ(先送り)する特例があります。

通常、資産を売って別の資産を買ったときは、売った時点で譲渡税を納税しなければなりません。

しかし、この特例を活用することで、譲渡所得の税金の一部を先送りすることができます。

買換の特例を受けた資産の取得費は低くなりますが、将来、この資産を売却しなければ、先送りされた譲渡所得の税金分は納税しなくて良いことになります。

この特例は、どんな事業用資産でも特例を受けられるというわけではありません。譲渡資産、買換資産ごとにいろいろな条件がありますので注意してください。

また、繰り延べできる金額は80%のみで、譲渡所得の20%相当額については納税しなければなりません。

さらに注意すべき点は、買い換えた事業用資産の減価償却のもとになる取得価額は、売却した資産の取得価額を引き継ぎます。

つまり、実際の買い換えた金額ではなく、売却した資産の取得価格が買い替え資産の取得価格となるため、実際の買い換え価格よりも低くなります。

実際の買値より低い金額をもとに減価償却をするということは、買換をしなかった場合に比べて減価償却が少なく計上されるため、その後の不動産所得が多くなり、所得税が高くなります。

先送りされた譲渡所得の代わりに、不動産所得の税金が増え、繰り延べ分が少しずつ取り戻される仕組みになっているのです。

このデメリットは、買い換え資産として減価償却費のない土地を取得し、その土地上にローンを活用してアパートやマンション等の建設を行うことで解消できます。

不動産投資などで資産の組み換えを行う場合には、所得税上のデメリットも踏まえ、事業用資産の買い換え特例を活用するか否か検討してください。

【参考】

国税庁HP タックスアンサー(よくある税の質問)

事業用の資産を買い換えたときの特例

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3405.htm

 

3 法人が不動産を売却する際の節税ポイント

これまでは個人が不動産を売却する際の節税ポイントを解説してきましたが、事業用として賃貸用不動産を運用している法人ができる節税方法もご紹介しておきます。

法人の場合、個人のように課税所得金額を引き下げる控除のような特例はありませんが、譲渡所得をほかの事業所得と合算することができるので、他の事業で経費をいかに計上できるかが節税ポイントの一つになります。

また、法人は事業年度の課税売上高が1,000万円を超えると、消費税の納税が必要になります。

消費税は土地にはかからず建物部分にのみかかるため、消費税を抑えるためには、売却金額の土地と建物の按分で建物分をいかに少なくするかも節税ポイントになります。

事業用の不動産は居住用とは異なり、減価償却費を多く計上することで不動産所得を引き下げることができます。

そして売却時は建物の未償却残高を売値とみなすことができます。

減価償却費を多く計上し、建物価格を引き下げることで、消費税も少なくできるのです。

もちろん減価償却費があまりに多くなれば取得費が少なくなるので、譲渡所得金額は増えてしまいます。

そのバランスを考えるのが法人の場合の節税ポイントと言えます。

 

4 まとめ

不動産を売却する際、節税につながるポイントは様々ありますが、購入した時点で売却するタイミングをある程度考えておくことが最も重要です。

また、税制は改正されることがあり、最新の譲渡に関する特例などを確認するとともに、個人と法人では節税方法も多少異なるので、詳しいやり方は税理士や不動産会社などの専門家に相談すると良いでしょう。

不動産の売却を予定している方は、この記事を参考に、保有する不動産の条件に合った節税方法を検討してみてください。

 

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