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不動産投資による節税対策3つの落とし穴

 2017/11/08 節税対策
この記事は約 6 分で読めます。 563 Views

「不動産投資は節税になる」と言われていますが、本当でしょうか?

不動産投資による節税と言えば、相続税をはじめ、所得税などの対策に活用されています。

確かに不動産投資での節税対策は有効な面もありますが、思わぬ落とし穴もあります。

もし、あなたが所得税の節税対策として不動産投資を行う場合、大きく分けて次の3つの落とし穴に注意してください。

  • 損益通算の特例(土地取得にかかる借入利息が損益通算できない)
  • 減価償却の仕組み
  • 経費で資産が目減りする

この落とし穴に注意することで、節税対策に有効な不動産投資が可能となります。

今回は、この注意すべき3つの落とし穴についてまとめました。

 

落とし穴①「土地取得にかかる借入利息相当が損益通算できないケース」

「損益通算」を簡単に説明すると、不動産投資による税務上の赤字と給与所得などの黒字を差し引きし、全体の課税所得を算出する仕組みです。

課税される所得を低減することで、所得税を節税するという方法です。

不動産所得が赤字になると、給与などの他の所得と相殺されることで、給与から天引きされている所得税の還付を受けることができます。

特に高所得者の方は、不動産投資により税務上の赤字をつくり、節税することにメリットがあります。

しかし、個人で不動産投資をする場合には、不動産所得が赤字になった場合、土地の取得にかかる借入利息相当は損益通算できないという落とし穴があります。

これは「損益通算の特例」と呼ばれています。

土地の取得にかかる借入利息については、当然必要経費になります。

しかし、赤字になった場合は、その赤字分から土地の取得にかかる借入利息相当を控除した金額が損益通算の対象になるのです。

ちょっとわかりにくいので、次のようなケースで試算します。

 

例1

項目 金額
売上(①) 賃料収入 450万円
経費(②) 固定資産税、建物管理費などの経費 100万円
減価償却費 250万円
借入利息(うち、土地の取得にかかる借入利息40万円) 150万円
課税所得(①-②) ▲50万円

例1のようなケースで、課税所得が▲50万円になった場合、土地の取得にかかる借入利息が40 万円だとすると、▲50万円のうち、土地の取得にかかる借入利息40万円相当は損益通算できないという事です。

つまり、▲10万円のみが損益通算の対象になります。

 

例2

項目 金額
売上(①) 賃料収入 450万円
経費(②) 固定資産税、建物管理費などの経費 100万円
減価償却費 250万円
借入利息(うち、土地の取得にかかる借入利息50万円) 150万円
課税所得(①-②) ▲50万円

例2のケースでは、土地の取得にかかる借入利息が50 万円だとすると、▲50万円のうち、土地の取得にかかる借入利息50万円相当は損益通算できません。

したがって、例2のケースでは、他の所得と損益通算できるマイナス相当が0になるということです。

つまり、不動産所得の赤字が土地取得にかかる借入利息以下だった場合、他の所得との損益通算ができないことになります。

このため、土地と建物の両方を取得する場合、土地価格相当が高い物件は、税務上赤字になったとしても思ったほど節税にならないことがあるため注意が必要です。

 

落とし穴②「減価償却の仕組み」

不動産投資をした際の建物代金は、取得した年度に全額経費として費用計上できる訳ではありません。

建物の構造(木造や鉄筋コンクリート造など)の種別や築年数により、減価償却費として分割して経費計上します。

これは、法定耐用年数として減価償却の期間が定められており、年数に応じて償却率が異なります。

例えば、新築物件の場合、木造アパートならば22年(定額法で償却率0.046)、鉄筋コンクリート造のマンションならば47年(定額法で償却率0.022)です。

新築の木造アパートの減価償却費の額
取得価格(建物のみ)3,000万 × 耐用年数に応じた償却率0.046 = 138万

 

新築物件は長期間で減価償却することから、年度当たりの償却額は小さくなります。

土地は時間の経過により価値が減少しない(古くならない)資産のため、減価償却はできません。

この仕組みを知らなければ、不動産投資額に対する減価償却費が、新築物件は思ったよりも少ないと感じます。

一方で、築10年の木造アパートのような中古物件の耐用年数は、次のように計算されます。

木造アパートの法定耐用年数22年 - 築年数10年 = 12年 ・・・ A
築年数10年 × 20%に相当する年数 =2年 ・・・ B
A+B = 12年+2年 = 14年 (償却率0.072)中古(築年数10年)の木造アパートの減価償却費の額
取得価格(建物のみ)3,000万 × 耐用年数に応じた償却率0.072 = 216万

 

償却期間が短くなり、年度当たりの償却額が大きくなるため、中古物件は所得税対策などのメリットが大きくなるのです。

 

落とし穴③「節税が行き過ぎて資産を減らしてしまう」

サラリーマンでは、様々な費用を経費として扱うことができません。

一方で、不動産投資を行えば、確定申告による損益通算が可能となり、費用を経費化することができるようになります。

例えば不動産投資をすることで、交通費(ガソリン代・保険料・自動車税なども含む)・通信費・新聞図書費・接待交際費などが不動産所得の必要経費として認められます。

 

賃貸収入が手に入ることもあり、自由に経費が使えることはメリットでもあります。

しかし、経費を使えば税金は少なくなりますが、実は資産も減ることになります。

不動産所得だけが赤字ならまだしも、キャッシュフローまでもが赤字になってしまったら意味がありません。

これは、「節税」と称した無駄使いとなり、単に資産を目減りさせているだけです。

もう一つの問題は、節税になる一方で収益性が悪く、キャッシュフローがマイナスな不動産投資をしてしまうケースがあります。

特に高額所得者に多い傾向があります。

不動産投資を行う前よりも、世帯の収入が実は目減りしているというケースです。

これは、損している物件を購入してしまったという現象です。

行き過ぎた節税は、結果として資産を目減りさせてしまうケースがあるのです。

 

まとめ

節税はゴールではなく、節税によりキャッシュフローを増やすことが目的です。

どんなに節税が出来ていても、収支計画(特にキャッシュフロー)が悪化するようでは本末転倒です。

キャッシュフローが良くない節税効果では、不動産投資のリスクを許容することができず、結果として収益が減少してしまうケースも考えられるのです。

今回の3つの落とし穴に注意することで、節税対策としての効果が期待できます。

あくまでも不動産投資であることを忘れずに、リスクが許容できる範囲での物件選びが重要です。

この視点を忘れずに、節税目的での不動産投資を行うようにして下さい。

 

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