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不動産投資は今するべき?価格下落を待つべき?どっちがお得?

 2019/03/05 はじめての不動産投資
この記事は約 7 分で読めます。 376 Views

「活況だった不動産投資ブームが終焉を迎える」といった情報がネット上で出回るようになり、不動産価格の下落を待って投資しようと考えている投資家は少なくありません。しかし、待ったからといって本当に価格が下がるとは限らず、下がったとしても期待したほどではない可能性も十分にあります。果たして不動産投資を始めるベストなタイミングとはいつなのでしょうか。

そこで今回は不動産を購入する時期を考察します。「価格下落を待つべきか」「今買うべきなのか」、どちらが得なのかを考えていきますので、購入時期を模索している方はぜひ参考にしてください。

本当に価格下落するのか?どのくらい下落するのか?

2020年の東京オリンピック終了とともに土地価格や建築費の下落の可能性が噂されていますが、本当に下落することはあるのでしょうか。

土地価格の下落幅はどの程度?

不動産投資において土地は不動産価格に占める割合が大きいため、値段が下がればその分有利になりますが、特定の地域や物件を除き大きな変化があるとは限りません。下表は東京23区と神奈川県横浜市の2007年〜2018年の公示価格(住宅地の平均)の推移を示すものです。2008年のリーマンショックによって世界経済は不況に陥り、日本の景気も低迷し不動産価格も落ち込みました。

東京23区の公示価格を見ると、リーマンショック後の2009年には大きく下落し、以降は2013年まで緩やかな下落を続け、2014年から上昇へと転じています。リーマンショック前の2008年の1平方メートルあたり57万9400円に対して、現在(2018年)は57万2300円と、未だにリーマンショック以前まで回復していない状態です。

ゼロ金利政策を背景とした不動産投資の過熱感が和らいできており、土地の値下がりを予想する声もありますが、リーマンショックのような経済的問題が再び発生しない限り、大きな値下がりは発生しにくい状況と言えます。横浜市のデータを見ても下落・上昇の幅は非常に小さく変動はほぼ見られません。土地の価格下落を過度に期待するのは建設的ではなさそうです。

建築費の下落幅はどの程度?

建築費も値下がりが期待されていますが、いつ・どの程度下がるでしょうか。下表は政府統計の建設工事費デフレーター(2011年度基準)を示すものですが、2017年度は2011年度比107.2%と現在の建築費の高止まりを反映しています。すでにリーマンショック前の102%を超える状態となっているため、今後の市況によっては値下がりする可能性も否定はできないでしょう。

しかし下落幅は、リーマンショック時(2008年)の101.8%→2009年98.6%と、比較的小幅です。今後リーマンショック級の不況に見舞われたとしても建築費の大幅な下落は生じにくいと考えられます。過去のデータに基づいた考察ですが、噂されているほどの不動産価格の下落は期待しにくいということが分かります。物件や地域によって下落の幅は異なりますが、投資時期を遅らせるメリットはさほど期待できなさそうです。

購入時期を遅らせると金利や税金の面でむしろ損する?

不動産投資を始めるタイミングは、「借入金利」と「消費税」の両面から検討することがとても重要です。

今後は金利上昇の可能性あり

国内経済はいまだ停滞が感じられる状況ですが、投資時期が遅くなるほど、その影響を受けて損する恐れがあります。

現在、日銀による長期金利変動幅の拡大容認や米国の金利引き上げの継続を背景として、国内金利は上昇圧力を受けています。また、スルガ銀行の不正融資問題を契機として不動産投資に対する融資が厳格化しつつあり、借入金利の上昇に繋がる可能性も否定できません。

借入金利の上昇は、不動産投資の収支に大きな影響を及ぼすことになるため、低金利のうちに投資を決めるという選択肢も重要になります。現在1%台の借入金利で投資していても、2%・3%と上昇すれば、返済利息の負担が増大し赤字に転落する可能性も高まるでしょう。このような金利上昇リスクを避けるためにも、長期国債の金利などが本格的に上昇し、不動産投資に対する金利が高くなる前に投資を始めるのが賢明といえます。

消費税増税による影響を受ける

投資時期を遅らせると、2019年10月1日の消費税の引き上げによる建築費増加などのリスクを負うことになるため、その点を踏まえた投資時期の判断も求められます。

例えば1棟アパートの場合、維持管理費、共用部分の電気料金、修繕費・リフォーム費用などは消費税の課税対象となっているので、家賃の値上げでもしないと返済負担が重くなってしまいます。その時の経済状況にもよりますが、投資時期を消費税増税後に遅らせて増税の影響を家賃に反映すると、入居者が集まりにくくなります。また家賃の値上げは空室率の上昇を招き、収支が悪化する可能性を高めます。投資時期の先送りはこのようなリスクを考慮して検討しなければなりません。

投資時期を遅らせるとリターンが不利に

価格下落を待って物件を購入するかどうかで迷っている間に、家賃収入を得られる機会や期間も逃すことにつながる場合があります。例えば、現在の年間家賃収入が110万円のワンルームを、「今すぐ購入した場合」と「3年後に購入する場合」で想定します。今すぐ購入した場合、単純に110万円×3年=330万円を、「3年後に購入する場合」までに回収できる計算になります。たとえ景気変動等によって3%程度の下落があった場合でも約2,000万円(利回り5.5%程度)の物件なら60万円程度の下落です。

つまり今投資した場合、3年後の価格下落の分を十分に吸収できるというメリットがあるわけです(330万円-60万円=270万円の余裕が生まれる)。なお家賃の下落も心配されるところですが、下表の東京圏のマンションの平均家賃のデータを見る限り、大きな下落を懸念する必要はなさそうです(ただし、地域により異なる)。

*公益財団法人不動産流通推進センターの「2018 不動産業統計集(9月期改訂)」のデータをもとに作成

「キャピタルゲイン」よりも「インカムゲイン」が現実的

不動産投資の目的としてキャピタルゲインを重視する方も多いですが、今後の不動産市場を考えた場合、キャピタルゲインよりもインカムゲインのほうが早めに投資を開始する恩恵を受けやすく、安定的です。

現在、首都圏の不動産市場は活況で不動産価格は高止まりしていますが、東京オリンピックの準備や都市再開発などが一段落すれば、今以上の価格上昇は期待しにくくなるでしょう。そのためこれからの不動産投資ではインカムゲイン狙いが重要になります。景気の良いうちに早めに投資し、長期運用で収益を多く獲得して投資資金を回収し、多くの利益を手にするのが現実的な方法になりそうです。

噂や風潮に惑わされないことが大切

不動産投資では高額な資金が必要となることから、経済全般や不動産市場などの状況を正しく分析した上で計画的に投資する能力が求められます。これまで確認してきたように、大きな景気の変動があっても平均的には不動産価格の変動が大きくなるとは限りません。

仮に、今後景気減速が起こり、リーマンショック級の不況再来により不動産価格が下落したとしても、融資を受けることができなければ、どんなに価格が低く、利回りが良くても不動産投資を実現することはできません。

こうした中、「大きな不動産価格の下落がある」というような噂や風潮に惑わされ、いたずらに投資時期を遅らせるという判断は賢明ではありません。不動産投資では、不動産価格や家賃収入のほか、維持経費、借入金利、消費税の動向・変動の大きさなどを自分できちんと調査・分析し、判断することが最も大切です。もちろん購入するのに良い時期やタイミングはありますが、風潮に惑わされるのではなく買える時に計画的に購入することをおすすめします。

まとめ

不動産投資でキャピタルゲイン(売却益)を目的とした不動産投資は、価格の低いタイミングで購入し、価格が上昇したタイミングで売却することが基本です。

しかし、本来の不動産投資とは「インカムゲイン」を目的とした長期の賃貸経営です。その間、景気変動は当然起こり、収益にも影響します。それでもリスクが許容でき、キャッシュフローを安定化させることに注力すべきです。

不動産投資は購入時のタイミングにおける「価格が高い・安い」ではなく、「長期的に安定経営が可能なのか?」という視点を重視しましょう。

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