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不動産投資は利回りに振り回されるな!利回り重視で失敗した事例を紹介 

 2018/09/22 はじめての不動産投資
この記事は約 11 分で読めます。 470 Views

収益物件を探す際、不動産会社の営業マンに勧められるままに購入した結果、失敗したという不動産投資の初心者は少なくありません。

不動産投資の物件選びでは「利回り」を優先して選ぶ方は多くいらっしゃいます。確かに収益性の高い物件は魅力的ですが、利回りは基本的に満室時の家賃収入を想定した数字になります。物件にもよりますが、利回りの高い物件は入居需要が低かったり、大規模修繕がすぐ迫ったりしている場合もあります。

そのため利回りだけで物件を安易に選んでしまうと、想定した利回りを確保できないケースが少なくないのです。今回は、利回りの意味・種類のほか、利回り重視で失敗した不動産投資の例をご紹介します。利回りを優先した物件選びを考えている方は、ぜひ参考にしてください。

 

不動産投資の利回りとは

利回りは、「家賃収入等の年間収益を物件の取得に要した費用で割った数字」で、不動産投資の物件選びにおける指標の一つとして利用されています。

たとえば、とある中古マンションの取得にかかった費用が2,000万円、年間の家賃収入が160万円の場合、利回りは、160万円÷2,000万円×1008%となります。

不動産投資では、物件の選定、収益性、投資資金の回収可能性などを適切に見極める必要があり、利回りはその判断材料として重要な役割を果たしているのです。

表面利回りとは

不動産投資の利回りには、おもに「表面利回り」と「実質利回り」の2種類があります。

表面利回りとは、先に述べた通り「家賃収入等の年間収益を物件の取得に要した費用で割った数字」で、グロス利回りとも言います。求め方は次の通りです。

表面利回り(%)=年間収入(家賃収入など)÷物件価格×100

この表面利回りは、不動産会社や不動産検索サイト等の物件案内などでよく用いられています。投資家はこの表面利回りの値を参考に物件を探したり、物件同士を比較したりして投資判断することになります。

実質利回りとは

先に述べた利回り8%とは表面利回りです。

表面利回りは、物件を経営していく上で必要な経費や税金等を控除した指標ではないため、実際の収益性(=儲かる度合い)を正確に表すことができません。そのため、表面利回りの高さだけに目を奪われて購入を決めてしまうのは危険と言えます。

れに対し「実質利回り」は、「年間収入から維持・管理費等の費用を差し引いた年間の純利益」を「物件の取得に要した費用」で割ったもので、ネット利回りとも言います。求め方は以下のようになります。

実質利回り(%)=(年間家賃収入等-年間諸経費等)÷(物件価格+購入時の諸費用)×100

賃貸物件を運用すると、「補修費」「管理費」「修繕積立金」「借入金の利息」や「損害保険料」などのほか、「固定資産税」や「都市計画税」の税金などが毎年発生します。これらは避けては通れない費用となるため、利回りを求める際に反映しないと物件の本当の収益力が計れません。そのため不動産投資の物件選びでは実質利回りでの評価が不可欠となります。

たとえば、先ほどの中古マンションを購入する際の諸経費(「印紙税」「登録免許税」「固定資産税等清算金」「不動産仲介手数料等」など、合計で物件価格の7%前後の費用)が140万円、年間家賃収入が160万円、年間諸経費が14.4万円、固定資産税等が12万円だった場合、実質利回りは次のようになります。

実質利回り={160万円-(14.4万円+12万円)}÷(2,140万円)×100%≒6.24%

このように同じ物件でも、賃貸運用にかかる諸経費を入れると利回りは低下します。表面利回りはあくまで物件の収益性を簡易的にあらわす指標に過ぎないので、諸経費を考慮したより実態に近い実質利回りで評価することが大切です。

実質利回りで本当の収益力を判断

表面利回りでは8%だった物件が、実質利回りでは大きく下回る6.24%となってしまいました。

また同じ表面利回りでも経費等が多くかかる物件では実質利回りとの差が大きくなるため、経費や税金を考慮した判断が欠かせないのです。

なお、表面利回りの年間の家賃収入は通常満室を想定した計算結果ですが、マンションを経営すると空室になる期間はほぼ発生するため、空室率を考慮した家賃収入での評価も必要です。

「ROI」「キャッシュフロー」での評価も大切

実質利回りでの判断も重要ですが、ROIやキャッシュフローでの評価も欠かせません。

手元に残るお金はいくら?

実質利回りは会計上の利益と投資額との割合を表しますが、その利益額が実際にキャッシュとして手元に残るものではないため、キャッシュの算定が必要になります。

まず、会計上の利益額に対して税金が算定され、税金の支払いでキャッシュが流出します。税率は事業形態や個人の所得額等により異なってくるため、これを仮に30%と設定した場合の上記物件の税金支払い額は次のようになります。

74万円(初年度は満室とした利益額)×0.3=22.2万円

逆に減価償却費を計上していれば、これは支出しない費用であるため実際はキャッシュが手元に残ることになります。減価償却費の計算は土地の部分を除く建物・設備等に係る代金が計算の対象となり、これを上記の例で500万円とすると、減価償却費は以下の通りです。

減価償却費=500万円÷(47年-12年)=約14.3万円

また、経費とならない支出があるとそれを加味する必要があり、その代表的なものは返済金の元本相当分です。上記の例の1,000万円のローン(金利2%)の場合、年間の返済額約40万円のうち元本部分は約20万円となり、この元本返済額もキャッシュの流出になります。

したがって、手元に残るおおよそのキャッシュは次の通りです。

74万円-22.2万円+14.3万円-20万円=46.1万円

この約46.1万円が手元に残る儲けとしてのキャッシュであり、この金額に満足できるかどうかも投資判断のひとつになります。

ROI(投資収益率)でも判断

他の物件と比較する場合、キャッシュの多さだけでは適正な判断が難しくなるため、「ROI」による評価も大切になります。

ROIとは、投資額に対するリターンの大きさの割合を示す指標で、投資収益率を意味しますが、次の2つの考え方があります。

・年間キャッシュフロー額÷自己資本(投資額のうちの)×100(自己資金収益率等という場合もある)

・年間キャッシュフロー額÷購入総額(物件価格+諸費用)×100

例えば、手元に残るキャッシュが46.1万円の上記物件と、60万円のB物件(総購入額を3,500万円と仮定)では、一見するとB物件の方が有利に見えます。

しかし、ROIで比較するとその判断が変わってきます。

AのROI:46.1万円÷2,140万円×100=2.15%

BのROI:60万円÷3,500万円×100=1.71%

B物件のほうが手元に残るキャッシュが多くても、収益率はA物件より低いことがわかりました。

上記の計算は仮定のもですが、物件ごとにROIは異なり、Bのようにキャッシュフローが大きくても投資効率が良くない物件もあるため、ROIの比較もとても重要なのです。

このように収益物件を正確に評価する場合、表面利回りだけで判断するのではなく、実質利回りのほかキャッシュフローやROIによる評価が欠かせません。利回りの高さに振り回されないことが不動産投資を成功に導くカギとなります。

 

利回り重視で失敗しやすい不動産投資の例

一般的に利回りが高い物件の特徴として、「価格が安い」「築年数がある程度経過している」「駅から遠い・郊外にある」などが挙げられます。たとえば駅から少し離れたエリアにある築20年を過ぎた築古マンションなどは、手頃な価格と利回りの良さは魅力ですが、入居者が見つかりにくいといったリスクを伴います。

一方、駅から徒歩5分圏内にある新築or築3年以内のマンションは、入居需要は高いものの、価格も高いため、利回りは低くなります。

このように不動産投資では、利回りの高い物件が持つリスクなどをある程度把握することが大切ですが、利回り重視で選ぶと次のような失敗をする可能性があります。

家賃低下の見込みが甘い

郊外の投資用ファミリーマンションを購入したものの入居者が短期間で退居してしまい、次の借り手がなかなか決まらないので、仕方なく家賃を減額するといったケースです。

たとえば、「郊外の物件で都心から遠い」「駅まで徒歩15分以上かかる」「南向きではない」「間取りが古い」「オートロックなど人気設備がない」といった特徴を持つ物件は、一般的に需要が低いため、入居者を見つけるのに苦労することがあります。さらに、入居者が出て行くたびに、家賃を下げるべきかどうかで悩まされることもあるでしょう。

また、購入当初の家賃が周辺の類似物件と比べて高いケースにも注意が必要です。周辺の家賃相場をよく調べずに購入した場合、入居者を見つけるために大幅な家賃の値下げに迫られれば、当初予定した利回りを確保できず、収支計画を立て直さなければならなくなります。

ランニングコストの見込みが甘い

年間の管理費や修繕費などのランニングコストについて、購入前の収支計画で適切に反映させておかないと失敗につながることもあります。

たとえば、毎月の維持管理費が当初1.2万円だったものが2年後に1.5万円などに値上げされれば収支の悪化に直結します。また、修繕積立金が不足している物件の場合、大規模修繕時に追加で何百万円といった多額の費用が徴収されるといったケースもあります。

このように毎年必ず発生する維持管理費や修繕関連費用を見込んでおかないと、度重なる出費に悩まされるだけで、適切に対応できない可能性も考えられます。

「値上がりするから」の口車に乗ってしまう

不動産営業マンの「この物件は直ぐに値上りするから狙い目です!」といった勧誘に乗せられて、条件の良くない物件に投資してしまうケースにも注意が必要です。

人口減少や高齢化が著しい地域では、今後、値上りするどころか値下がりする可能性が高くなります。しかし、悪質な不動産会社の営業マンの場合、そのようなリスクを隠して購入を勧めてくることがあります。

実際値上がりする可能性はないにも関わらず、「この周辺は都市再開発の予定で大型商業施設の誘致がある」「地価が上がるから今のうちに安く購入するとお得です」といった不動産投資詐欺もあるので、よく注意をしなければなりません。

サブリース契約を安易に結んでしまう

サブリース契約で安定した利回りを確保したものの、数年後に賃料の値下げが要求され、儲からない投資になるケースが少なくありません。

サブリース契約とは、不動産会社等が物件の一括借り上げを行う転貸契約のことで、空室の有無かかわらず毎月一定の賃料がオーナーに支払われます。

所有者にとっては安定した収益が確保できるため、サブリース契約を希望する方は多くいます。しかし、サブリースでは一定期間経過後に賃料の変更が可能となっている場合も多く、経営状況によっては保証家賃額の減額を要求される場合もあります。

サブリース契約を結ぶ際は、将来減額される可能性があるかどうかについて契約書に記載されているかをよく確認しましょう。記載があれば、減額される程度を見込んだ上で、あらためて収支計画を立てる必要があります。

※参考:不動産投資初心者が狙われる!サブリースを悪用した勧誘とは!?

 

利回り重視の物件選びで失敗しないためには

不動産投資には収支や売却に影響する様々なリスク要因がありますが、利回りにはそれが反映されているとは限りません。

良い物件の見極め方

たとえば、家賃収入は長期にわたって段階的に減少していきます。逆に管理費や修繕費など段階的に増えていくので、年間収支は少しずつ悪くなるのが一般的です。そのため投資判断で利回りを用いる場合に、管理費用や物件劣化などの長期的なリスクを見逃すと、投資計画に狂いが生じることになります。

家賃収入は、物件の立地や建物の状態(築年数や設備の内容・状態等)の良し悪しに大きな影響を受けます。たとえば、買い物、交通の便や景観の良い立地、人気の高い付属設備がある物件は、入居の応募も多く、家賃も下がりにくい傾向にあります。

一方、条件の悪い物件は入居者が集まりにくい上、空室率が高くなり年間の収支が悪化しやすくなります。利回りの値にはこうしたリスク要因が反映されているとは限らないため、物件自体の需要について事前によく調べないと、予定した利回りはあっという間に確保できなくなります。

手元に残るお金で判断することも重要

また、表面利回りよりも実質利回りで評価するのが好ましいと述べましたが、実質利回りは会計上の数値から算出した値で、実際に手元に残る儲けに基づく指標でないため、正確な収益力を把握できない場合もあります。そのため、不動産投資の判断は実質利回りに加え、実際に手元に残る「キャッシュでの評価」も必要となるのです。

たとえば、物件購入で銀行等から借入した場合、毎月、元金を返済していく必要があります。一方で賃貸運用では毎年の確定申告をする際に減価償却費を計上することができるので、節税効果があります。これらは会計上の利益に反映されないため、帳簿上の利益額と手元に残るキャッシュ(=現金)が一致しない場合もあるわけです。

 

まとめ

不動産投資の物件選びの判断材料として「利回り」が利用されますが、利用の仕方によっては投資の失敗に結び付くこともあるため注意が必要です。利回りは様々なリスク要因に影響を受けますが、それが数値に反映されていないことも多いため、物件自体の劣化や周辺環境の変化といった要素まで精査することが重要です。

特に見かけの利回りの高さに釣られて、「家賃や維持管理費等の見込みが甘くなる」「不動産会社の口車に乗る」「サブリース契約を安易に結ぶ」といったことになれば、不動産投資が失敗に終わってしまう可能性も高まります。

不動産投資で物件を選ぶ際は、実質利回りの値も参考として利用し、キャッシュフローやその他の重要な評価要素も加えて総合的に物件を評価するようにしましょう。

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