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不動産投資を行うと必要になる確定申告の基礎知識

 2018/11/07 はじめての不動産投資
この記事は約 9 分で読めます。 491 Views

給与所得のみのサラリーマンの方は基本的に確定申告する必要はありませんが、不動産収入がある場合は申告しなければなりません。

不動産所得の確定申告は一見複雑そうに見えますが、減価償却費の計算など基本さえ押さえればそこまで難しいものでありません。

今回は不動産投資をしている方に知ってほしい確定申告の基本的な知識についてご紹介します。

不動産投資を行うと確定申告が必要な理由

自営業の方などは毎年確定申告をしますが、会社勤めの方は基本的に確定申告を行う必要がありません。もちろん医療費控除を受ける場合や年末調整が間に合わないような場合には、自分で確定申告をする必要があります。

しかしサラリーマンの方でも不動産投資をしている場合は、確定申告をしなければなりません。

 

会社勤めをしている人は確定申告が不要

サラリーマンの方は一般的に給料から所得税と住民税が天引きされています。年末近くになると、保険料控除などを受けるために年末調整を行い、課税所得を再度算出して所得税の還付を受け、住民税を決定します。

 

会社勤めをの方は、経費に該当するものとして既に給与所得控除を受けています。このため、自営業者のように経費計上できないので確定申告を行う必要がないわけです。

 

ただし、年間収入金額が2,000万円を超える場合や、給与所得以外に20万円を超える所得(収入から経費を差し引いた金額)がある場合には確定申告の必要があります。

 

不動産投資を行うとなぜ確定申告をするのか

不動産所得が20万円以下の場合は確定申告の義務はありません。ただ、確定申告の“義務”がないというだけで、申告しても問題はありません。

 

“義務がない”というのは、あくまで税務署の業務負担を減らすためです。ただし医療費控除などの目的で確定申告をする場合には、不動産投資をしている人は不動産所得金額に関わらず申告する必要があります。

 

不動産所得が赤字の場合は給与所得などと合算することができます。本来の課税所得を不動産所得の赤字分だけ引き下げることで、所得税と住民税を安くすることができます。つまり、不動産投資をした場合、確定申告した方が税金関係でお得になる場合があるということです。

 

確定申告するメリット

不動産投資で確定申告すると、家賃収入に対してさまざまな経費を計上することができます。「運用管理に関わる費用」「返済するローンの金利部分」「建物の減価償却費」などは経費計上できます。

 

ローンの金利は実際に支払うお金ですが、減価償却費は支払うお金ではありません。収益を生み出す資産である不動産の建物の価値が年数の経過とともに減価するために、経費として会計上認められています。もちろん賃貸貸ししていなければ収益を生み出す資産として認められないため、減価償却費を計上することはできません。

 

ただし、減価償却費はあくまでも建物部分のみに認められています。土地は基本的に価値が下がらないと考えられているからです。

また建物の構造の違いによって、耐用年数が定められています。耐用年数とは価値がゼロになるまでの期間です。たとえば木造の場合には住宅用として計上するなら22年、鉄骨鉄筋コンクリートは47年などと決まっています。

 

白色申告と青色申告

確定申告には「白色申告」と「青色申告」の2種類があります。通常の確定申告は白色ですが、青色申告をすることで特別控除を受けられたり、親族に給与を支払って必要経費に計上できるなどのメリットがあります。

 

確定申告の手順

次に具体的な確定申告の手順をご紹介します。

 

確定申告に必要な書類

不動産投資による家賃収入があれば、それを証明する書類を提出する必要があります。確定申告で必要となる書類は次の通りです。

 

・不動産売買契約書

・賃貸契約書

・源泉徴収票

・不動産収支内訳書

・賃料入金明細(振り込みが確認できる通帳など)

・固定資産税通知書

・火災保険・地震保険の証券

・修繕費の請求書・領収書

・借入の返済予定表

・水道光熱費や交通費などの領収書

 

不動産売買契約書は不動産投資を自分の名義で行っていることを証明するために必要です。このほか収入証明として家賃の入金が確認できる書類、経費として計上できるものの領収書などを用意しておきます。

 

経費として認められるのは、固定資産税・管理費・修繕費・保険料・賃貸管理代行手数料・交通費・通信費・借入金の利子・減価償却費などとなります。

 

確定申告を行う時期

確定申告を行うのは毎年「2月16日〜3月15日」です。これを過ぎるとペナルティを課せられます。たとえば申告しなかった場合は無申告加算税として15%から20%、延滞税として延滞日数に応じた税金を支払わなければなりません。

 

なお期限(3月15日)を過ぎても1ヶ月以内に自主的に期限後申告をすれば、無申告加算税は納税額に5%加算されるだけで済みます。

 

減価償却費の計算方法

不動産投資の確定申告では、減価償却の計算に手間取るかもしれません。しかし計算方法は次の通り至ってシンプルです。

 

不動産取得価格×償却率=減価償却の金額

 

償却率は国税庁が構造ごとに定めた耐用年数に応じて公表しているので、そのまま使用することができます。

 

問題は中古物件の取得価格の算出です。新築物件の場合には、売買契約書に記載されているので、それを流用します。建物部分はさらに躯体と設備とに分かれ、躯体は構造によって償却期間が違いますが、設備は耐用年数が一律15年と決まっています。

 

一方、中古物件を購入した場合、不動産会社が発行する譲渡対価証明書に建物の取得金額が記載されていれば、そのまま写して計算します。もし躯体と設備の区分が難しいようであれば、設備は躯体(本体)に組み込んで計算することになります。

 

中古物件の売買契約書にも土地と建物の金額が明確に記載されていなければ、固定資産税評価額を元にして計算します。建物の取得金額の計算方法は以下のようになります。

 

購入金額×(建物の固定資産税評価額÷全体の固定資産税評価額)

 

本体と設備を分ける場合、工事費の建物と設備の割合が判明すれば、それぞれの割合を建物の取得金額に掛けることで計算できます。

 

減価償却費計上の注意点

減価償却費を多く計上していると売却時の譲渡所得が大きく増える可能性があります。特に欧米の不動産は日本の物件と異なり、建物の比率が大きくなります。それだけ多くの減価償却を計上できるので、売却時の譲渡所得税には注意が必要です。

 

海外不動産投資をしている場合

海外の不動産を賃貸運用している場合にも、日本での確定申告が必要です。現地で得た不動産収入を日本円に換算して計算することになります。

 

まず家賃収入と経費に関してはTTM(金融機関が毎朝9時55分の為替レートを参考に決定する基準レート)で換算します。仲値ともいいますが、日本円を外貨に両替するレートと外貨を日本円に戻すレートの中間値となります。

 

ただし毎年継続して確定申告をすることを条件にすれば、不動産収入は仲値から手数料を引いたTTBで算出し、不動産経費は逆に手数料を足したTTSで算出できます。つまり収入を少なく、経費を多く計上できることになります。

また減価償却は建物取得日におけるTTBで換算し、借入金の金利や建物の保険料については発生日のTTSで換算できます。

 

さらに現地で税金を納めていれば、外国税額控除を差し引いて日本での税額を少なくすることができます。ただしその限度額は次の計算式で求めます。

 

所得税額×(国外所得総額÷総所得総額)

 

このように海外不動産は、すべての所得に対する国外所得の割合分を上限に、所得税額を安くすることができます。

 

売却時の確定申告について

投資用不動産を売却して利益が出れば、譲渡所得となり税金が発生します。仮に購入時よりも売却価格のほうが安かった場合、利益は出ないと思うのは早計です。譲渡所得は次のように計算します。

 

譲渡所得=売却金額-(取得費+譲渡費用)

 

単純に売却金額が取得費よりも少ない場合、譲渡所得はマイナスとなります。

しかし、取得費には購入にかかった諸費用やリフォームの費用も加算しますが、賃貸運用している間に確定申告で計上してきた減価償却費を引かなければなりません。

つまり減価償却費が多くなれば、取得費は大幅に下がるため場合によっては売却益が出ることになります。

 

譲渡所得に対する税額は、物件の所有期間によって変わります。所有期間が5年以下であれば所得税率は30%、住民税率は9%となります。5年を超えて所有すれば所得税率は15%、住民税率は5%に下がります。

 

確定申告をする際の5つのポイント

不動産投資における確定申告の注意点を整理します。いずれも基本的なポイントなので押さえておきましょう。

①年間20万円を超える不動産所得がある場合は確定申告が必要 家賃収入で1年間に20万円を超える所得がある場合は確定申告する義務があります。不動産所得は収入−経費で求めることができます
②投資用不動産は住宅ローン控除が適用されない 居住用の不動産を購入した場合、住宅ローン控除を受けることができますが、投資用不動産には住宅ローン控除は適用されません。住宅ローンは低金利ですが、投資用不動産はそのような低金利となる住宅ローンは利用できないからです
③賃貸併用住宅は住宅ローン控除が受けられる 区分所有のマンションやアパートを購入する場合には住宅ローン控除は適用されませんが、自宅を建てて49%以下を賃貸貸しする場合(=賃貸併用住宅)、住宅ローンを利用できます。この場合、居住部分の割合に対して住宅ローン控除を受けることもできます
④白色申告よりも青色申告 確定申告は通常の白色申告よりも青色申告をしたほうが、多くの控除を受けられます。青色申告は不動産経営が事業規模と認められれば申告できますが、その基準は、マンション・アパートを「5棟以上」あるいは「10室以上」となります(条件を満たしていなくても、家賃収入が十分な額であれば認められることもあります)
⑤法人化で節税 不動産投資を法人化することで所得税を大きく抑えることができます。また個人で土地を所有するよりも法人のほうが相続税評価額は軽減されます。なお個人で運用していた不動産投資を法人化する場合には、一度設立した法人に物件を売却する必要があるため注意が必要です

※参考 個人の不動産投資家が法人化すべき課税所得額は?

※参考 個人の不動産投資家が直面する問題は法人化で解決!法人化のメリット5選

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