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消費税増税10%へ!不動産投資の影響は?

 2019/02/13 節税対策
この記事は約 10 分で読めます。 364 Views

現行8%の消費税は2019年10月1日から10%に引き上げられる予定です。不動産投資は初期投資額が極めて大きいことから、増税でどのような影響を受けるか気になるところです。特に物件購入について増税前に済ませるべきなのか、増税後でもよいのかで悩んでいる方は多いのではないでしょうか。

そこで今回は、

・影響を軽減するための対処法

・消費税の増税により不動産投資に及ぼす影響

の2点をご紹介します。

これから不動産購入を検討している方はぜひ参考にしてください。

 

賃貸経営への影響

まずは賃貸経営に与える増税の影響を見てみましょう。

家賃・敷金・礼金

賃貸経営では住宅用として貸し付ける場合の家賃・敷金・礼金などは非課税となるため、家賃収入が増えることはありません。しかし事務所、店舗など事業用として貸し付ける場合の家賃等は、消費税の課税対象となり増税の影響を受けます。ただし契約の終了により返還される保証金や敷金などは、非課税となります。

管理費

建物管理費(エレベーター維持管理・給水ポンプ維持管理・定期清掃などの委託費用)や賃貸管理費(入居契約・家賃収納・契約更新・退居管理などの委託費用)は、すべて増税により出費が増えることになります。

修繕費

投資用物件の大規模改修費やリフォーム・小破修繕費、設備交換費用なども増税により出費が増えます。ただし、管理費や修繕積立金をマンション管理組合に支払う方式では、それらの費用は管理組合の規約に基づき払っていることから直接増えることはありませんが、増税の影響でいずれ値上げされる可能性はあるでしょう。

このようにアパートやマンションなどの住宅用賃貸経営については、消費税増税による収入面への影響はほとんどありませんが、支出面では出費が増えることになります。

 

では消費税10%増税による物件購入時の影響は?

消費税の基本

不動産の消費税は、建物のみに発生します。不動産は土地と建物から構成されますが、土地に関しては消費税がかかりません。

そのため、同じ8,000万円の物件でも、

A物件:土地価格が5,000万円、建物価格が3,000万円

B物件:土地価格が2,000万円、建物価格が6,000万円

では発生する消費税額が異なります。

2019年1月現在では、

A物件の消費税は240万円(=建物価格3,000万円×8%)となりますが、B物件の消費税は480万円(=建物価格6,000万円×8% )となります。

つまり、物件価格の内訳で、土地価格の割合が大きい物件では、消費税の影響が少ないということがいえます。

例えば、都心の築古物件では、都心は土地価格が高く築古物件は建物価格が安いため土地価格>建物価格となり、一方、郊外の築浅物件では、郊外は土地価格が安く築浅物件は建物価格が高いため、土地価格<建物価格となる傾向にあります。

消費税を意識するのであれば、土地価格の割合が大きい物件を購入した方が影響は小さくなります。

消費税が課税される対象とは

また、課税される対象は法人・個人を問わず、前々年の課税売上高が1,000万円を超える事業者(=消費税の課税事業者)です。新築マンションや分譲住宅を購入する場合、ハウスメーカーや専門業者が売主となるケースが一般的ですので、基本的に消費税はかかることになります。

一方、中古マンションを購入する場合、売主が所得1,000万円を超える課税事業者ではないケースでは、消費税はかかりません。なお、購入する際に不動産業者が受け取る仲介手数料は、もともと消費税の課税対象であるため増税の影響を受けることになります。

実際に増税でいくら物件購入費用が増える?

消費税が10%に上がった後に住宅購入をした場合、増税が影響する項目は大きくわけて2つあります。

◆売買価格

不動産購入は一般的に数千万円単位の金額となるため、消費税率が8%から10%に上がると100万円以上の余分な費用な発生することになります。上記のとおり売買価格において消費税がかかるのは建物価格だけなので、仮に建物部分の価格が6,000万円のマンションを購入した場合、課税される金額は、増税前と後で次のように変わってきます。

増税前:6,000万円×8%=480万円

増税後:6,000万円×10%=600万円

600万-480万=120万円

このように、増税前と後で支払う金額が120万円も変わってくるのです。この影響は売買価格における建物価格が高額な物件になれば、どんどん大きくなります。

◆仲介手数料

住宅を購入する際には、不動産会社に対して仲介手数料を支払わなければなりません。この仲介手数料『(売買価格×3%+6万円)×消費税』も課税対象となるため注意が必要です。

仮に8,000万円のマンションを購入すると仮定すると、増税前と後で次のように変わってきます。

8,000万円×3%+6万円に消費税8%=265.68万円

8,000万円×3%+6万円に消費税10%=270.6万円

よって、消費税の増税により仲介手数料が4万9,200円値上がります。

このように、消費税の増税前か後かで数十万円もの価格差が生じます。これだけ見ると、住宅購入者にとって消費税増税はかなり大きな負担となりそうですが、政府はこのような事態を見越して、一定の要件のもと所得税や住民税が控除できる制度を別途設けています。

 

個人住宅(マイホーム)の「住宅ローン減税」と「住まい給付金」

消費税率の引き上げに伴い、増税前の駆け込み需要が予想されます。また増税後は買い控えによる不動産市況の悪化も懸念されています。そのため政府は消費税率の引き上げの影響を緩和するための対策を検討しています。

この対策は、賃貸アパート・マンションなどの事業用不動産ではなく、個人向け住宅(マイホーム)取得に関するものです。ご自宅を手に入れようと考えている方は、増税前か後かで住宅ローン減税などの適用が異なりますので参考にしてください。

増税後の買い控えを防ぐ対策

2019年度与党税制改正大綱では、消費税率の改正に伴い、「住宅ローン減税」や「住まい給付金の拡充」などの経済対策が盛り込まれました。大綱では新税率が適用され、2020年12月末までに入居できる物件について、現在「10年目までで終わり」となっている住宅ローン減税の期間を3年間延長し、13年間となる予定です。

つまり、10年目までは現在と同様、年末時点でのローン残高の1%が所得税などから控除されますが、11~13年目は、「ローン残高の1%」と「建物価格の2%を3等分した額」の少ない方を控除することになります。

また、住まい給付金については、現在、年収510万円以下の方を対象に最高で30万円が給付されていますが、2021年12月末までに入居すれば、給付を受けられる年収が775万円以下、給付額は最高50万円まで拡充されることになっています。

賃貸併用住宅は住宅ローン減税を受けられる場合がある

住宅ローン減税は主にマイホーム購入を対象としているため、不動産投資のためにローンを組んで住宅を取得した場合は、原則、その恩恵を受けられません。

しかし取得物件の床面積の1/2以上を自分の居住用とする場合は、住宅ローン減税を受けることができます。例えば、賃貸併用住宅を建築または購入し、自分で住みながら残りの部分を賃貸に回せば、住宅ローン減税の恩恵を受けられます。

 

物件購入する場合のタイムリミットは2つ!

2019年9月末までに引渡しを受ける

これから物件を購入する方が旧税率(8%)の適用を受けるには、増税前の2019年9月30日までに物件の「引渡し」を受ける必要があります。物件の所有権が売主から買主に移転した事実が必要になるため、9月末までに住宅の鍵受け渡し・登記などが済んでいれば、増税の影響を受けることはありません。

新たに物件を建築する場合は2019年3月末までに「工事請負契約」を締結する

投資用物件を新たに建築する場合、どのような影響があるかについて見ていきます。

アパートなどの物件を新築する場合、旧税率(8%)が適用されるためには、増税前の2019年9月30日までにアパートを完成させ引き渡しを受けることが必要ですが、建築工事は人手や天候などにより工期が当初予定より遅れてしまう場合があります。

そのため、今回の改正では経過措置が適用されることになり、2019年3月末日までに建築請負工事の契約を締結しておけば、建物の完成・引き渡しが10月1日以降になっても旧税率(8%)が適用されることになっています。

これから投資用物件を建築する予定の方は、遅くとも2019年3月末日までに建築請負工事の契約を締結すれば増税の影響を受けずに済みます。

 

物件選びは慎重に行う

消費税増税が不動産投資に与える影響を見てきましたが、投資用物件は果たして増税前に急いで購入したほうが良いでしょうか。

駆け込み需要期の注意点

増税前に物件を取得すれば確かに2%分の費用をカットできるため、業者のなかには「増税前の最後のチャンス!」と煽り立てる会社もあります。

しかし、現在は東京オリンピックや東日本大震災の復興需要の関係で人件費・資材費が上昇しています。加えて、消費税増税前の駆け込み需要により、建築費の高騰や人手不足に一層拍車がかかることも想定されます。

そのため駆け込み需要期に購入を急いでしまうと、「高い建築費で本来よりも多くの費用がかかる」、あるいは「人手不足により不完全な施工のため満足のいかない物件を取得してしまう」といったケースも考えられます。

上記のケースはすべての業者に当てはまる訳ではありません。「消費税が増税するから買う・建てる」「価格が高騰しているから買わない・建てない」の判断をするのではなく、目的、物件の立地、適正な価格、業者選び、キャッシュフローの視点など、不動産投資の基本を忘れないようにしましょう。

焦って購入しないのも大切

過去の例から増税前は駆け込み需要が起きることは不動産業界全体も把握しています。業者は一挙に集中する需要増を販売成果に結びつけようと、物件の売出し価格も高めに設定することがあるため、知らずに購入すると逆に損をすることにもなります。増税後に客足が減った時点で値下げされた物件を買うほうが、消費税分が増えているにかかわらずトータルで安く済む場合があることも知っておきましょう。

また、不動産投資は立地環境の優れた物件をいかに見つけ出すかが成否を分けます。消費税増税に惑わされ調査や下見をいい加減にしてしまうと、好条件の物件を逃すことになるでしょう。業者側にも足下を見られ、値引き交渉も難しくなってしまいます。

不動産投資で成功するには、十分な下調べや準備を行い、綿密に資金計画を立て、その時々の経済状況・不動産市況を睨みながら、立地環境の良い優良物件に的を絞って投資することが大切です。物件調査や書類準備、金融機関との交渉などは時間がかかりますが、消費税増税の回避を最優先にすると、本来購入するべきタイミングやスケジュールを見誤ることになりかねません。物件購入は業者に急かされても惑わされず、十分な時間をかけて選ぶようにしましょう。

 

6 まとめ

大きなお金が動く不動産投資においては、消費税が増税することの影響も大きいものとなります。

しかし、増税だからといって慌てて物件選びをすることはやめましょう。気に入った物件が適正な価格(将来においてもキャッシュフローが維持できる価格)で購入できるかどうかの視点を持っていれば、増税した後でも物件選びで失敗することはありません。

一方で、気に入った物件に出会えたならば、2019年9月30日までに購入(引き渡しを受ける)ことや、2019年3月末までに工事請負契約を締結ことは消費税が8%で済みますのでメリットがあると言えます。

消費税増税という言葉に惑わされずに、正しい判断を心がけてください。

 

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