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相続税の節税対策にならない!?「小規模宅地等の特例」の厳格化

 2018/06/01 相続対策
この記事は約 7 分で読めます。 305 Views

亡くなった方の自宅を相続する際、一定要件を満たせば「小規模宅地等の特例」が適用でき、自宅敷地の330㎡までの部分について、相続税評価額が80%減額される仕組みがあります。

 

小規模宅地等の特例が適用できれば、自宅敷地の相続税評価額が80%減額されることから、節税対策として利用する方法が考えられてきました。

2018年4月7日付日本経済新聞によると、2015年分で小規模宅地等の特例の適用件数は67,325件(相続税の申告件数全体の5割相当)、減額された金額は1兆354億円にもなります。

ところが、平成30年の税制改正により、相続税における「小規模宅地等の特例」が改正されました。

その内容は、持ち家に居住していない相続人、いわゆる「家なき子」が小規模宅地等の特例を適用するための要件が厳格化されたのです。

持ち家に住んでいない相続人を優遇する特例を悪用?し、行き過ぎた節税に網をかけるべく、改正されたとも言えます。

この改正により、相続税対策として行っていた方法が節税対策にならず、都心の一等地など、相続税評価の高い地域に自宅を所有している方は、大きく相続税が増える可能性もあります。

よって、小規模宅地等の特例を活かした節税対策を見込んでいた方は、別の方法を考える必要があります。

 

家なき子の特例を活用した節税対策とは?

 

ところで、家なき子の特例を活用した節税対策とはどのようなものだったのでしょうか?

小規模宅地等の特例とは、亡くなった方の自宅敷地を相続した場合、自宅敷地の330㎡までの部分について相続税評価額が80%減額される仕組みです。

相続税を納税するために、家を売らなければならない事態を避ける目的として設けられている特例と言えます。

適用要件として、原則、亡くなった方の配偶者や同居していた親族が相続する場合に適用できます。

しかし、仕事の都合による転勤など、やむを得ない事情から同居できないケースも考えられます。

そのため、持ち家に居住していない親族(家なき子)が、亡くなった方の自宅を相続した場合についても、次のような要件により、特例を認めています。

  • 被相続人に配偶者や同居の親族(相続人)がいない。
  • 被相続人の自宅を相続する人は、相続前の3年以内に自身または自身の配偶者が所有する家屋に居住したことがない。
  •  亡くなった方(被相続人)の自宅を相続する人は、相続した宅地を相続税の申告期限まで保有する。

これが「家なき子の特例」と呼ばれているものです。

このうち、「相続前の3年以内に持ち家に住んだことがない」という要件について、「相続人に持ち家があっても、相続までの3年間は持ち家でなければ良い」という解釈をもとに、節税対策として活用されていたのです。

例えば、

  • 自分の持ち家を妻や子などの親族に贈与することで、自分は持ち家を所有していない形態にする。
  • 自分の資産管理法人を設立し、その法人に持ち家を売却して賃貸住宅に暮らしている形式にする。

など、作為的に持ち家がない状態(家なき子)にする節税対策が行われるようになり、実質的に自宅を所有していても、相続があったときには「家なき子の特例」が適用できたのです。

 

節税目的で作為的な「家なき子」は認められない

 

本来、「家なき子」の特例は、持ち家のない相続人が亡くなった方の自宅を相続し、その自宅に移り住むことを想定した特例と言えます。

今回の税制改正により、次のようなケースは小規模宅地等の特例が適用できなくなりました。

  • 相続の前の3年以内の期間に、3親等以内の親族またはその親族と特別の関係のある法人が所有する家屋に居住したことがある場合。
  • 相続人が相続開始のときに居住していた住宅を過去に所有していたことがある場合。

※この改正は、平成30年4月1日以降に相続または遺贈が行われた場合について適用されます。

つまり、これまでに行われていた形式的に家を持っていない状況をつくり、作為的に「家なき子」状態にする節税対策は通用しなくなります。

親に買ってもらった親名義の家に住んでいる人も家なき子ではなくなります。

遺言などで孫に相続させる場合でも、孫が親の持ち家に住んでいれば「3親等以内の親族が所有する家に居住」に該当するため、特例は使えません。

 

どうすれば「家なき子の特例」が適用できる?

 

では、家族を自宅に残し、自分だけが親と同居していれば良いのでしょうか?

明確な判断基準があるわけではありませんが、住民票だけ移しても、「実態」が伴わない親との同居は、認められない可能性が考えられます。

自宅敷地について小規模宅地等の特例適用を考えるならば、勤務先が遠方で自宅を購入してしまっているケースは難しいとしても、本当に同居する可能性を検討する方が現実的と言えます。

 

自宅の評価を活用した資産形成による節税対策

 

親の自宅が都内の一等地など、相続税評価の高い立地の場合、小規模宅地等の特例を使わなければ、相続税の納税額が数千万円単位で税額が増える可能性があります。

納税資金が準備できなければ、相続税納税のため家を売却しなければなりません。

一方で、相続税評価の高い自宅敷地であれば資産価値の高い不動産と言えます。

この資産価値を活用し、不動産投資などによる節税対策を考えることが可能です。

資産価値が高ければ、金融機関の担保評価も高くなるため、融資を受ける際には有利となります。

資産価値の高い不動産を手放して納税するか?

資産価値の高い不動産を活用し、収益性のある不動産を手に入れると同時に、相続税の節税効果を手に入れるか?

親が残してくれる自宅は価値の高い不動産なので、何も検討せずに売却して納税するだけでは、もったいないと言えます。

せっかく資産価値の高い不動産があるのですから、将来を見据えた資産形成を含め、不動産投資による節税対策の検討も、一考に値するのではないでしょうか?

 

まとめ

 

小規模宅地等の特例は節税効果が大きいことから、特例の適用を受けるべく、様々な方法が考えられてきました。

しかし、不自然な資産の取引により、形式的に「小規模宅地等の特例」適用の要件を整え、この制度を悪用する例もあり、問題になっていました。

今回の税制改正により、いわゆる「家なき子の特例」適用について、一定の歯止めがかけられ、形式的な要件を整えても、節税対策としての特例適用ができません。

小規模宅地等の特例の適用を前提に相続税対策を考えていた人は、今回の改正により、再考の必要があります。

つまり、別の節税対策を考える必要があるという事です。

その一つとして、不動産投資による節税対策が考えられます。

小規模宅地等の特例が適用できない場合、相続税の納税額が大きくなるという事は、親の自宅は資産価値が高い不動産と言えます。

価値の高い不動産があるのですから、不動産投資などによる節税対策を検討することにより、資産形成をしながら節税対策が図れることになります。

金融機関からの融資を受ける際にも、資産価値の高い不動産を所有していることは有利になります。

何も検討せず、親の残してくれた価値の高い自宅(実家)を簡単に手放してしまうのではなく、その資産価値を活用することで守ることができるのです。

親から子へ、子から孫へと、将来を見据えた資産形成を視野に、今ある財産の在り方を検討してみることも大切です。

 

参考

いまさら聞けない!不動産投資で相続税対策ができる理由とその計算方法

 

尚、税制改正に関する小規模宅地等の特例について、詳しくは相続税などに詳しい税理士に確認・ご相談することをお勧めします。

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