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高利回り・節税対策向き築古物件の不動産投資でチェックすべき新耐震基準とは?

 2018/11/28 リスク対策
この記事は約 8 分で読めます。 120 Views

築古物件は利回りが比較的高く、減価償却期間も短くなるため、高利回りや所得税の節税効果を期待する不動産投資家に人気があります。

しかし、1981年(昭和56年)以前に建てられた物件の場合、新耐震基準を満たしていないケースもあります。

新耐震基準で建設された物件は震度6強以上でも建物が倒壊しないように設計されており、地震大国である日本の不動産投資では見逃せないポイントのひとつです。

今回は新耐震基準を説明するとともに、築古物件に投資する際の注意点を取り上げます。

設備面等での住居ニーズなども踏まえ、築古物件に投資するポイントを知っておきましょう。

建物の耐震基準とは

耐震基準とは建築基準法で定められている地震力に対する建物の強度の基準です。

日本は過去に何度も大地震に見舞われ大きな被害を受けてきましたが、1923年に発生した関東大震災の甚大な損害を受けて、国は一定の地震力に耐えうる建物の強度の必要性を認識し、耐震基準を法制化してきました。

新耐震基準と旧耐震基準の違い

現在、耐震基準は建築基準法で規定されています。

なかでも1981年に改正された耐震基準は「新耐震基準」、それ以前の基準は「旧耐震基準」と呼ばれています。

新耐震基準と旧耐震基準の違いは、地震の震度に対する「強度の差」です。

旧耐震基準では、建物は震度5程度の地震でも倒壊しないことが必要であるとされます。

一方、新耐震基準では、震度6強~震度7の地震でも倒壊・損壊しないレベルであることが要求されています。

倒壊率に大きな差

新耐震基準と旧耐震基準は、実際にどの程度耐震力に差があるかを感覚では判断しにくいですが、2016年4月に発生した熊本地震での建物の倒壊データから把握できます。

国土技術政策総合研究所等により開催された「熊本地震における建築物被害の原因分析を行う委員会『報告書概要』」によると、旧耐震基準の木造建築の倒壊率は28.2%、新耐震基準の木造建築は8.7%です。

単純な比較で新耐震基準の建物は旧耐震基準よりも3倍以上倒壊を免れており、耐震性において明確な差があるということができます。

なお、2000年6月の耐震基準の改正により木造建築物の耐震性を高めるため、地盤調査、筋交い等の接合法、壁配置のバランス設計などが求められています。

先の熊本地震のデータによると、2000年6月以降の木造建物の倒壊率は2.2%と、それ以前の耐震基準よりも被害率が圧倒的に少ないことが証明されているのです。

 

新耐震基準の建物に投資するメリット

新耐震基準に対応した物件に投資するとどのようなメリットがあるのを見ていきましょう。

倒壊・損傷リスクの回避

震度6などの大地震に遭遇した場合、投資物件が新耐震基準を満たした建物であれば倒壊・損傷の被害を免れる可能性が高くなります。

万が一大地震で所有物件が倒壊すればその時点で家賃収入は断たれ、投資資金の回収は極めて困難になります。

また、投資して間もなく地震で建物が倒壊すれば多額の借金が残り、大きな財務リスクを背負うことになるでしょう。

加えて倒壊した建物の処理にかかる費用も発生することから余計な支出に迫られることになります。

また新築に建て替える場合は、多額の資金が必要になるため大きな借金を抱えることになります。

融資を得るのも容易ではなく融資が断られれば建て直しを諦め、土地を売却せざるを得ないでしょう。

新耐震基準の建物を投資対象とすれば、建物倒壊から派生する様々なリスクを回避できるため、大変おすすめです。

賠償リスクの回避

地震により投資物件が倒壊・損傷して入居人が死亡や怪我などに見舞われた場合、投資家である大家が賠償責任に問われるケースもあります。

例えば、建築当時の耐震基準を満たすことなく建てられた物件の入居人等が地震による被害を受ければ、所有者(オーナー)の責任が問われることがあります。

もちろん、建築時の耐震基準を満たしており、その後耐震基準が改正された場合で必要な修繕等を怠っていない建物では、責任を追及される可能性は低いですが、「定期的な大規模修繕を怠る」「補修が必要と認められる個所を放置する」など、所有者の瑕疵と判断される要素があれば賠償責任を命じられる可能性があります。

新耐震基準を満たしていない建物の場合は、こうした倒壊・損傷による訴訟リスクを受ける可能性が高くなることを留意しておくべきでしょう。

 

築古物件に投資する際の注意点

新耐震基準を含む築古物件に投資する際のポイントは次の通りです。

新耐震基準を満たす築古物件を選ぶ

旧耐震基準の物件は倒壊・損傷リスクが高いため、不動産投資の際は新耐震基準を満たす物件を選びましょう。

1981年6月以降に建築された建物が対象で、さらに木造建築物については2000年6月以降に建築された物件を検討するのがポイントです。

なお、両者の時期以降に建築された建物でも以前の耐震基準で建築許可を得て建てられている可能性もあるため確認するようにしましょう。

新耐震基準を満たしていても耐震性を確認する

新耐震基準をクリアしている物件でも築古物件に投資する場合は、事前に耐震性を確認することが大切です。

耐震性が客観的に証明されている物件以外の建物では、実際の耐震性を投資家が判断することはできません。

そのため投資家は事前に何らかの方法で投資対象の耐震性を確認する必要があります。

ただし、所有する前に正式な耐震診断を受けるには所有者の同意が要るなど難しいため、設計図等から大体の耐震強度を計る簡易診断での判断が現実的な方法になります。

なお、正式な耐震診断を行う場合、建物の構造や広さにより費用が変わります(例:RC構造で1平米あたり1,000円~2,500円)。

簡易診断の結果、耐震性に問題がありそうな場合は他の物件を検討する余地があるでしょう。

地震保険に加入する

地震による被害を回避するには地震保険の加入も重要です。

新耐震基準で建築されている建物でも年数を経ることにより劣化が進みます。そこで地震保険等に加入して万が一に備えます。

地震保険の費用は建物の構造で異なりますが、神奈川県の場合、保険料1000万円あたり2万2500円です(建物の構造や建物のある都道府県によって異なる)。

耐震性等を判断してどの程度の損害に備えるかを検討しておく必要があるでしょう。

投資物件としての魅力を計る

築古物件の表面利回りは高いですが維持管理費も高く、入居ニーズが低い物件では投資の失敗につながる恐れがあるため、多方面からの投資評価が求められます。

利回りが高い築古物件が魅力的に見えても、高額な維持管理費で実質利回りが低くなることは珍しくありません。

特に大規模修繕を間近に控えている物件やその修繕積立金が不足している物件などでは投資後に多額の費用負担を強いられることもあります。

また、オートロック、宅配ボックスなどの最新設備を備えた築古物件は少なく、不人気とされるトイレとバスが一体型のユニットタイプであるケースも珍しくありません。

新築と比べて耐震性や外観、設備面で劣れば入居ニーズは低くなり、空室率の増加や家賃の下落へとつながり収益を圧迫していきます。

築古物件では立地条件に加え建物自体の魅力が収益に大きく影響するため、このような点を踏まえた検討が重要です。

このほか入居ニーズがあっても売却が困難になりやすいことも留意しておくべきでしょう。

 

まとめ

物件探しをしていると、新築物件よりも築古物件を多く目にします。

中には、土地代相当から老朽化した建物の解体費などを差し引いた低価格で購入できる場合もあります。

さらに、捨て値で売り出されている物件に出会う可能性もあります。

このような物件で、全戸空室ならば建物をすぐ解体して新築を建てることができるのですが、一般的には低い家賃で入居者がいるケースが多いため、付近に同様の低家賃物件が少なく、立ち退いていただくのも困難で長期化する可能性があります。

特に、1981年(昭和56年)以前に建てられた旧耐震物件の場合は倒壊・損傷リスクが高いままであり、万一地震により入居者が死亡や怪我などに見舞われた場合、あなたが賠償責任に問われるケースもあります。

そのリスクを背負ったまま賃貸事業を続けなければなりません。

一方で、大規模修繕やリノベーションのノウハウがあれば、築古物件をよみがえらせる可能性があります。

例えば、低価格で購入した物件を耐震工事とともにリノベーションすることにより、安い従前の家賃よりも、高い相場並みの設定で入居者を確保し、高利回りの魅力ある建物に再生できる可能性があるからです。

しかし、すべての築古物件で可能となる訳ではなく、物件の耐震性やグレード感を向上するための工事費が新築並みに必要となる場合もあります。

また、見た目の利回りが良くても入居者が入らない立地では「絵に描いた餅」です。

捨て値で売り出された物件だからと言って飛びつくのではなく、購入価格と修繕・リノベーションの費用を見込み、収支計画がどうなるのかをしっかりとシミュレーションし、物件を見極める目が必要です。

高利回り・節税効果が期待できる築古物件ですが、旧耐震基準の物件は倒壊・損傷リスクが高いため、まずは不動産投資の際は新耐震基準を満たす物件を選びましょう。

築古物件に潜むリスクが理解でき、そのリスク回避や対応ができるようになってから始めることをお勧めします。

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